海外で人気を博しているにもかかわらず、未だに日本で提供されていないFinTechサービスは多い。立ちはだかる一つの壁が法規制だ。金融を巡る法規制は世界各国で異なっており、必ずしも海外と同じ手法で事業を展開できるとは限らない。もし、海外の主なFinTechサービスを日本で展開する場合に留意すべき観点を、法規制の側面から解説する。

法規制から見る、海外FinTechの日本展開への道
目次
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RegTechの威力と法令上の限界
RegTechの代表格であるTrunomiとTradleは有効か
金融機関などの企業にとって、顧客の個人情報の取得・管理業務は、マーケティングだけでなく、マネーロンダリング規制における本人確認義務の順守といった観点から重要だ。そうした中、Regulation(規制)とTechnology(技術)を組み合わせた「RegTech」とも呼ばれるサービスが脚光を浴びつつ…
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インドを席巻する「Paytm」が問う銀行の形態
日本では多岐にわたる金融規制対応が必須、サービス内容の変更も視野に
高額紙幣廃止を機に普及したインドのモバイル型電子マネー決済「Paytm」。今では、2億3000万人のユーザーを抱えるほど普及している。サービス内容の拡充も進む。決済・送金にとどまらず、インドの新しい銀行形態であるPayments Bankの認可を取得。営業を開始している。
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仮想通貨で海外送金の課題を克服
日本では資金移動業登録が必要、仮想通貨交換業や外国規制にも注意を
銀行を介した海外送金は手数料が高く、時時間もかかる。こうした課題を解決するFinTechサービスが次々と生まれている。その代表例が仮想通貨を活用したもの。日本での規制対応について検証する。
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米国で爆発的に広がる個人間送金
日本では資金移動業以外でも実現に向け工夫
米国の若年層で急速に広がった個人間送金アプリ「Venmo」。簡単な操作性とソーシャル性が、ヒットの要因だ。日本でも同様のサービスが登場しているが、実現には複数の選択肢が存在する。
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おつり投資「Acorns」上陸は可能か
米国で急成長、日本で展開するに当たって満たすべき規制を考える
買い物で生じた端数を自動で投資する「おつり投資」で有名な「Acorns」が、成長を続けている。最近は、提携事業者のキャッシュバックを投資に回す新サービスも始めた。日本で展開する際の注意点を読み解く。
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コピートレード、日本での現実解
規制負担の低減工夫がポイントに
優秀な投資家の取引などに従って、自動で取引を実行するコピートレード。日本で事業展開するには、金融商品取引法の規制を受ける。ビジネスモデルに応じて規制対応の負担が変わるため、工夫が必要だ。
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Simpleは「銀行のため」の存在か
ネオバンクが日本展開するために必要なライセンスとは
海外のFinTechサービスを日本で展開する場合、法規制面で留意すべきポイントを解説する本連載。2回目は、米国で銀行取引・決済サービスを提供するSimpleを取り上げる。人気を博すネオバンクは上陸可能なのか。
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「Square Capital」上陸の条件
海外発サービスを日本市場に持ち込む際にクリアすべき法規制とは
取引データを活用する融資サービスであるトランザクションレンディングは、金融機関が満たせなかった資金需要の新たな受け口になり得る。代表格の「Square Capital」が日本で展開するための規制上の課題を検証する。