問題点は(3)の文章「ダウンロードしたデータからエラーを取り出し保存する」にあります。
この文章は複数の意味に解釈できる「多義文」になっています。1つの意味は、「データからエラーを抜き出して、そのエラーデータを保存する」こと。もう1つの意味は、「データからエラーを排除して、正しいデータだけを保存する」ことです。
手順書を書いた人と作業をする人で文章の理解が異なると、トラブルが発生します。例えば、手順書を書いた人の意図は「正しいデータだけを保存する」だったのに、作業する人が「エラーデータだけを保存する」と理解した場合。保存されているデータが「正しい」ことを前提に別の作業に使われたとしたら、様々な問題が発生するでしょう。
この手順書の問題を解決するには、「データを取り出し保存する」という部分をより詳しい作業内容に書き替える必要があります。保存するのが正しいデータなのかエラーデータなのかを明記しましょう。
仕事の現場には、このような多義文があふれています。自分が書いた文章は、誰がいつ読むか分かりません。今の業務に詳しくない人が読む可能性も考え、誰が読んでも同じ解釈になる文章を書くよう心がけましょう。
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