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 技術の現場では、仕様書や作業指示書の不備が、大きなトラブルや手戻りにつながることがあります。これを避けるには、文章の1つひとつに気を配ることが必要です。

 何に注意すればよいのか、以下の相談を基に考えてみましょう。回答するのは、SEをはじめ技術の現場で働く人を対象に文章作成の指導をしている豊田倫子氏です。

相談:伝達ミスが多い部下の指導法は?

 最近、システム運用でトラブルがありました。運用担当者向けの指示書には、「システムAでエラーX、システムBでエラーYが表示されたときは、担当者Zに迅速に連絡してシステムを再起動する」と書いてありました。本当はシステムAとシステムBの両方でエラーメッセージが出たときに対応すればよいのですが、片方のエラーだけでシステムを再起動してしまいました。
 もっと詳しく厳密に書いておけばよかったのですが、伝わると思ってこのように指示書を出していたようです。こうした伝達ミスを防ぐには、どのように指導すればよいのでしょう。