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 確かに、ワープロの置換機能を使えば手早く修正できます。しかし機械的に文字を置き換えるだけでは、文章力の向上には結びつきにくいでしょう。

 相談者の方は部下に何度も指導をしているとのことですが、指導はどのようにしていましたか。修正が必要な箇所に印を入れ、どう直すべきか指示しただけだったとしたら、文章指導としては十分とは言えません。

 重要なのは、「なぜ当該の箇所をそのように修正する必要があるのか」を説明することです。修正の理由をきちんと伝え、それを部下に十分に理解してもらいます。例えば助詞の「へ」を「に」に置き換えるといった細かな修正でも、なぜその修正が必要なのかを部下が納得するように説明することが大切です。

 部下にとってみれば、修正が必要な理由が分かれば同じ間違いをすることは減るはずです。自分の頭で考えながら、適切な文章を書けるようになるでしょう。

 もう1つお勧めなのは、提出前に部下にセルフチェックをしてもらうことです。その際もただ「チェックをして」と言うだけでなく、チェック表を作って確認事項を明示するとよいでしょう。

豊田 倫子
コンピュータハウス ザ・ミクロ東京
豊田 倫子 ヘルプデスクや検証技術者などを経て、約20年前から教育サービスに携わる。新入社員研修やリーダー研修、マネジャー研修などの企画コンサルティングや教材開発、研修講師、研修運営などを担当する。人材育成研修の受講生は延べ7万人。特に人気の研修が、本セミナーのベースとなっている文章力研修で、これまでに約5000人の文章を指導してきた。日経 xTECH ラーニングの人気セミナー「伝わる文章の査読・指導スキル養成講座」の講師を務める。