日本語では、同じ読みの言葉にも複数の表記方法があります。ビジネス文章としては、表記の揺れをなくして統一することが求められます。しかしどの表記に統一すべきか分からない、という職場は多いようです。

 今回は、送り仮名にまつわる相談を取り上げます。回答するのは、SEをはじめ技術の現場で働く人を対象に文章作成の指導をしている豊田倫子氏です。

相談:「打合せ」は「打ち合わせ」に直すべき?送り仮名の付け方が分からない
 SEとしてチームのリーダーを務めています。送り仮名について疑問があります。私が顧客に出したメールに「打合せ」と3文字で書いていたところ、上司から「打ち合わせ」にするように注意されました。
 「打合せ」は間違いなのでしょうか。送り仮名にもルールはありますか?

 「打合せ」「打ち合せ」「打ち合わせ」。同じ「うちあわせ」にも複数の表記があり、どれが正しいのか悩みますね。

 送り仮名に悩む語はほかにもたくさんあります。仕事でよく登場するのは「見積書」「見積もり書」、「売上」「売り上げ」などでしょう。

 ビジネス文書としては、送り仮名は「本則」に沿うのが基本です。本則とは、1973年の内閣告示「送り仮名の付け方」に示されたものです。送り仮名の基本的な付け方を本則として定めています。

 送り仮名の付け方では、活用のある語は活用語尾を送るのが基本とされています。例として「うちあわせる」が挙げられており、本則は「打ち合わせる」です。「打ち合せる・打合せる」は、「許容」する表記とされています。「打ち合わせる」の名詞形である「うちあわせ」の本則は、「打ち合わせ」となります。

 表記を本則に合わせるには、ソフトウエアの力を借りると便利です。1つの方法は、日本語変換ソフトで本則のみを表示する設定にすることです。「Microsoft IME」をお使いの場合は、「プロパティ」から「詳細設定」を選択し、「変換」タブから「詳細設定」に進むと、「本則だけにする」というオプションがあります。これを有効にすると、変換候補一覧には本則の表記しか表示されません。

 ワープロソフトの校正機能を使う方法もあります。Wordをお使いであれば、「オプション」→「文章校正」→「設定」と進むと、「送り仮名」を「本則」に設定できます。本則でない文言には波線を付けて教えてくれます。

豊田 倫子
コンピュータハウス・ザ・ミクロ東京
豊田 倫子 ヘルプデスクや検証技術者などを経て、約20年前から教育サービスに携わる。新入社員研修やリーダー研修、マネジャー研修などの企画コンサルティングや教材開発、研修講師、研修運営などを担当する。人材育成研修の受講生は延べ7万人。特に人気の研修が文章力で、これまでに約5000人の文章を指導してきた。日経クロステック ラーニングの人気セミナー「伝わる文章の査読・指導スキル養成講座」の講師を務める