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 その日、檜山は、山科のプロジェクトの内部進捗会議に立ち合うことになった。くせのある2人のメンバーと、山科がどう対峙するか確認して、必要であれば救いの手を差し伸べなければならない。

 山科は、何となく自信がなさそうな様子で始めた。

「最初は、お客様との定例会の結果連絡です。例の在庫引き当ての件ですが、島津倉庫ではやはり出庫量が手作業での把握になるので、電話連絡に基づく週次での反映にしたいとのことでした」

 短髪に黒メガネの生方が、さっそくかみつく。

「それ、在庫管理の原則からしてどうですかねぇ。反映サイクルが一律でないと、あちこちで余分な考慮が必要になりますよ」

 山科より若い宮地が、檜山の存在を気にしながらも首を傾げる。

「島津倉庫でも、スマホが1台あれば、オンラインで在庫反映できるはずですよ。なにも例外を作らなくても」

 ケ・リ・だ。檜山は、胸の裡で言った。山科、とにかく、ケリをつけるんだ。これ以上、結論を長引かせる余裕はないはずだ。

「そうだね」

 山科は、2人のメンバーの顔を見比べた。それから、おもむろに言う。