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「え、どうやって回してるって、何の話?」

 檜山は両手を広げた。

「面談ですよ、面談。年度替わりのこの時期に、部下の数だけ面談をこなすなんて、そもそも無理じゃないですか? グループ長がこんなに大変だとは思ってませんでしたよ。小山さんなんか、対象者が10人以上でしょ。よくやれますねぇ」

「なんだ、愚痴か?」

 小山グループ長は、笑みを浮かべて檜山を見た。

「まあ、だんだん要領がわかってくるよ。いつも部下を見ていれば、面談なんて最後の仕上げみたいなもんだ。業績評価はあらためて考えなくても頭に入ってるし、2~3日集中してやれば終わる」

 檜山は大げさなため息をついた。

「そんなもんですかねぇ。この先、とてもじゃないけれど、こなせそうな気がしませんけど」

「こなすんじゃないのよ、檜山さん。面談はこなすものじゃない!」

 びっくりするほど強い口調に、檜山は驚いて振り返った。