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心と身体のつながり

 私が「心と身体」という表現を使うとき、心とは身体のなかの肉体的ではない部分を指している。それを精神と呼ぶか意識の機械的メカニズムと呼ぶかにかかわらず、心は脳を含む身体の下位機能からは区別されるものだ。

 この区別は重要である。心が身体に影響を及ぼすと私が言うとき、心は脳にも影響を及ぼすという意味になるのである。身近なできごとで、このことは証明できる。偽の薬を与えられたにもかかわらず、脳が正しい薬を与えられたと思う偽薬効果は十分に説明されている。ダンボが羽によって飛ぶ力を手にしたように、心は意識が制御できないような形で、身体に影響を及ぼすことができる。

 私たちは、心が思考の力を通じて世界を操作できることを知っている(思考の内容は身体の行動によって実現される)ので、私たちが信じたり考えたりしていることが物理的な現実に影響を及ぼすことができると言うこともできる。

 言葉にもっとも忠実に言えば、これは考えたことが現実になるという意味だ(少なくとも、身体と心の能力の範囲内であれば)。この原則は、様々な形で表現されており、哲学にも組み込まれている。よく知られているのは、「似たものは似たものを引き付ける」という引き寄せの法則である。マイナスのことを考えればマイナスの結果が起き、マイナスの結果はマイナス思考を呼ぶのである。