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 NTTデータが、顧客企業のデジタル化を推進できる人材の育成を進めている。2018年に「デジタルテクノロジ推進室」を新設。デジタル化推進に必要な知識を持っている技術者を「デジタルテクノロジーディレクター」と名付け、部内で育成・認定している。NTTデータ システム技術本部 デジタルテクノロジ推進室の乗松幸一郎課長に、取り組みの内容や狙いを聞いた。

「デジタルテクノロジーディレクター」という人材像を定義した理由を教えてください。

 デジタル化の時代、SIer(システムインテグレーター)としてのあり方も変わっていくべきだ、という大きな課題感がありました。

 今までは、お客さまに「こういうものを作りたい」という明確な要件があって、それをしっかり形にすることが付加価値でした。しかしデジタルの時代になって、不確実性が増しています。お客さまからも「何を作っていいか分からないけれど、一緒に考えてほしい」と明確にリクエストされることが増えてきました。

NTTデータ システム技術本部 デジタルテクノロジ推進室 乗松幸一郎課長
NTTデータ システム技術本部 デジタルテクノロジ推進室 乗松幸一郎課長
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 従来の人材像だけでは不十分で、やはりデジタル化に応じた人材を定義しなくてはいけない。技術者で言えばデジタルテクノロジーディレクター(DTD)を中心に増やしていこうということで、2018年度から取り組んでいます。社内資格ではありませんが、部内で認定しています。

 最初は、デジタル化のプロジェクトで活躍している優秀なメンバーを選んでバーチャルな組織として立ち上げました。当初は、DTDが60人という規模でした。2019年度からは実組織として、100人規模になっています。デジタルテクノロジ推進室から各プロジェクトにメンバーを派遣しています。

 DTDにとって技術はもちろん不可欠ですが、それだけでなくマインドが重要です。お客さまと対峙(たいじ)する姿勢を、従来とは変えていく必要があります。「言われたことはきちんとやるけどあまり提案できない」ではダメで、「お客さまと一緒にリスクを取って新しいことをやっていく」「お客さまの変革そのものにコミットする」といったマインドが求められます。