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 デジタル人材の育成に力を入れる日立グループ。2019年4月1日に設立したのが、日立アカデミーだ。教育研修を担うグループ会社・組織を統合した新会社で、「デジタルトランスフォーメーションをけん引する人材の育成」がミッションだ。
 日立アカデミーでデジタル人材育成の研修やサービスを統括する、IT研修本部 L&D第二部 田中貴博GL主任技師に取り組みの内容を聞いた。

「デジタル人材育成」とひと言で言っても、すべきことは多岐にわたりそうです。具体的にどんな教育を手掛けているのでしょうか。

 世の中でデジタル人材というと、AI人材やデータサイエンティストを指すことが多いでしょう。しかし日立では、デジタルトランスフォーメーション(DX)を担う人材をもっと広く定義しています。「デザインシンカー」(デザイン思考を実践できる人材)や、お客さまの事業を深く理解して課題や解決策を具体化できる「ドメインエキスパート」、サイバー・フィジカル両面に対処する「セキュリティスペシャリスト」などです。

日立が育成を強化するデジタル人材
日立が育成を強化するデジタル人材
(出所:日立製作所)
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 これを受けて、我々はどのような教育を実施すべきか。まず教育の観点から、「我々のお客さまはどんな課題に向き合ってデジタル化を進めているのか」を改めて整理しました。そしてDX実現のためのプロセスやタスクを分類・体系化して、それぞれに必要な研修を整えました。

DX関連の研修体系
DX関連の研修体系
(出所:日立アカデミー)
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 研修だけでなく、本社(日立製作所)の人事施策として人材ローテーションによる実務経験を通じた育成も実施しています。例えば各事業部門でデザインやデータサイエンスなどを手掛ける人材はデザインやデータサイエンスの専門部署に異動して、いろいろなプロジェクト経験を積む。その後、元の部署に戻る。こうした取り組みを、2019年度からかなり積極的に実施しています。専門部署も、「現場・実務で使える能力の育成」にコミットして人材を受け入れています。

日立アカデミー IT研修本部 L&D第二部 田中貴博GL主任技師
日立アカデミー IT研修本部 L&D第二部 田中貴博GL主任技師
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