PowerPointの資料に何を入れるべきか。資料作りの際にあれこれ悩む人は少なくないでしょう。悩みながら作り終えて上司に提出したら、ダメ出しをされることは珍しくありません。
前回、PowerPoint資料作りの4つのステップを紹介しました。今回はその1番目に当たる「資料全体を通して伝える内容の範囲を決める」について事例を通して見ていきます(図1)。必要な情報を網羅し、不要な内容を切り捨てるにはどうしたらよいのでしょうか。
資料に盛り込むべき話題はどれか?
今回も、主人公は建設会社勤務の市川さん。入社以来ずっと技術部門にいましたが、8年目を迎え、人事異動で念願の経営企画部へ配属になりました。
市川さんはある日、上司から「次回の週次部内会議で、現在経営企画部が手掛けているジョイントベンチャー(JV)プロジェクトの進捗(しんちょく)報告をしたい。プロジェクトの状況を説明する資料作成を手伝ってほしい」と言われます。上司からは、これまでのプロジェクトに関するすべてのデータが格納されているフォルダーのアクセス権を付与されました。
これを使ってPowerPointの資料を作成しようとした市川さんですが、すぐに手が止まってしまいました。
市川さんの頭の中には、次のような疑問が渦巻いていました。「手元にはデータが十分にあるが、この大量の情報をどう資料にまとめればいいのか」「資料に盛り込むべき話題はたくさんあるが、どう絞ればよいのか」「プロジェクトの最初から最後まで丁寧に説明すべきか、皆が知っている前提で要所だけ説明すればいいのだろうか」――。