上司にプレゼン資料の作成を頼まれた建設会社勤務の市川さん。前回までで、各スライドに書きたいメッセージも決まりました。いよいよ、スライド1枚1枚を作る作業に移ります。本連載で紹介した「手書き8割のルール」を実践し、まずは手書きで各スライドのイメージを書いてみました。
しかし、市川さんの手書きのスライドイメージを見た上司から、ダメ出しをされてしまいます。「スライドが文字だらけで分かりにくい」「スライドをパッと見たときに、目線をどこに持っていけばよいのか迷う」といった指摘です。表現したいことをとにかく文字で盛り込んだ結果、ゴチャゴチャしたスライドとなってしまっていたのです。
コンサルタントはこんなとき、スライドのレイアウトを整えることで、中身をすっきりさせるテクニックを使います(図1)。
まずは、コマ割りを考える
まずスライドの中身を細かく書き始める前に、1枚1枚のスライドについて、大まかなレイアウトの外枠を作ります。分かりやすい例で言えば、漫画でキャラクターの表情など詳細なイラストを描き始める前に、コマ割りをするのと同じです。あらかじめ決めた各スライドのメッセージを最もうまく表現できるよう、コマ割りを考えます。
スライドに入れるメッセージは、2つに大別できます(図2)。「動的なメッセージ」と、「静的なメッセージ」です。そのスライドのメッセージがどちらに該当するの分類できれば、コマ割りは自然に決まります。