全1937文字
PR

 「○○をこのような手順で進める」といった事実を語るメッセージも、静的なスライドに当たります(図8)。「手順は流れを示すものだから、動的なスライドではないか」と思うかもしれませんが、そうではありません。手順は、論理的な展開の流れを含まないからです。1つの情報のかたまりとして、1つの絵で示すのが適切です。

図8●手順を示すスライドの例
図8●手順を示すスライドの例
[画像のクリックで拡大表示]

 今回は、各スライドのメッセージが決まったら、次のステップとしてスライドのレイアウトをどのように考え出すべきかを説明しました。

 スライドを作成する本人が意気込んで内容を考えれば考えるほど、1枚1枚の内容は情報過多になってしまい、見にくくなりがちです。それを避けるために、まずはメッセージを最適に表現するレイアウト(コマ割り)を考えましょう。その上で、それぞれのコマの内容の中身を埋めていくことが重要なのです。

小早川 鳳明
経営再建プロフェッショナル
外資系コンサルティング会社を経て、現在は国内・海外企業の経営再建や経営改革、企業買収業務に従事。グローバル製造業、化学メーカー、全国小売チェーン、高級アパレルブランドにて、事業戦略策定・実行、クロスボーダーM&A、PMI、社内体制構築、新規事業立ち上げなどのプロジェクト統括を担当する。累計10万人以上の従業員に関わる経営改革を実施。 外資系コンサルティング会社では、研修トレーナーとして現役コンサルタントに対してコンサルティングテクニックを解説する経験を有する。著書に、グローバル大企業メーカーのリアルな経営改革と企業買収の現場を描いた『ハーバード・MIT・海外トップMBA出身者が実践する 日本人が知らないプロリーダー論』(PHP研究所)