きれいにまとまっているけれど、何を伝えたいのかいまいちよく分からない。そんなスライドを見かけることがあります。
上司にプレゼン資料の作成を頼まれた建設会社勤務の市川さん。グラフを入れて分かりやすく作成したつもりですが、上司から「よくまとまっているけど、事実をきれいに整理しただけのようにしか見えないんだよね。市川さんがこのグラフから何を伝えたいかがいまいち伝わってこない」と言われてしまいました(図1)。
これは、市川さんが勤務する建設会社の海外事業部の業績報告に関するスライドです。「海外事業は順調に拡大を続けている」というメッセージを入れ、それを裏付けるグラフも掲載されています。全体を読めば、2016年以降事業拡大を続けてきたことは理解できますが、ややインパクトに欠けます。
このスライドを少し加工するだけで、説得力はぐっと高まります。どうすればよいか、見ていきましょう。
たった1つの矢印で説得力アップ
図1のスライドで最も伝えたいことは、「海外事業は順調に拡大を続けている」というメッセージです。このメッセージをさらに強く表現するために、矢印を1つ足してみましょう(図2)。2016年から2018年にかけて成長していることを、より強く表現するためにグラフ上部に矢印を配置しました。
図1と比べて、海外事業が成長していることがより直感的に伝わってくると思います。このように、スライドが出来上がったら、メッセージをより印象付けるために矢印を配置できないかと検討してみましょう。