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 ホットドッグを食べ終わると、森田さんに午前中のプログラムが終わってからずっと頭に残っていたデータの必要性について聞いてみた。

 森田さんは、何も言わずに聞いていたが、ホットドッグの最後の一口を食べ終わると、話し始めた。

「コンビニエンスストアは、約3000種類の商品がどの店舗で何個売れたかを時間帯ごとに集計している。セブン‐イレブンであれば、全国約1万8000の各店舗で、1日に来店する1000人以上のお客さんの買い物を集計している。そして、雨が降っている月曜日の昼には、何がどれくらい売れたか、晴れた金曜日の夕方はどうかといった情報を集め、そのデータから予測して、商品の品ぞろえと在庫をなるべく無駄のないようにしているわけだ」

 さらに森田さんはPOSデータが進化していることを教えてくれた。最近では会員制のnanaco(ナナコ)カードのおかげで購入した客の属性も分かる。より詳細に、消費者の行動が分かるということだ。今やコンビニならどこでも導入している。

「でも、新商品開発にPOSデータは使用しないんだよ」

「えっ。なぜですか」

 セブン‐イレブンは、100円コーヒーを導入して大ヒットさせた。その他にも「金の食パン」やドーナツも売り出して成功させている。そうした新商品の開発にPOSデータを使用していないなんてことがあるのだろうか。POSデータを分析して、コーヒーが売れると判断したわけではないのか。