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 ツアーの2日目は、コンベンションセンターで開催されているエネルギー関連の展示会を回った。

 これまでに建設業界の展示会には行ったことがあるが、エネルギーの展示会は初めてだ。ブースを回っても、どこも名前すら聞いたことがない会社ばかりだ。鉄塔や送電線、変圧器のような大掛かりなものの展示も一部にはあるが、ほとんどはITベンダーと思われる会社がシステムの説明パネルを展示している。

 あとはベンチャー企業などが小さなブースで、それぞれのサービスや商品を展示していた。建材や建機などが展示される建設業界の展示会とはかなり雰囲気が異なり、情報システムの展示会のように見える。

 各ブースで説明をしてもらえるが、アメリカの電力業界のことをよく知らないので、なにがポイントなのかが分からない。電力というと発電所から送電線で消費者に届けるイメージしかなかったが、どうやら違うようだ。こんなにシステムベンダーがいるのには訳があるのだろう。スマートメーターで遠隔から電力使用量を読み取る話は聞いたことがあるが、それだけでこんなにシステムベンダーが参入するとは思えない。

 そんなことを考えながら歩いていると、森田さんが歩いているのが見えた。

 後ろから見ても日焼けした肌と背筋の伸びた姿勢で森田さんだと分かる。声をかけると、振り向いて「よっ」と大きな声を上げて、敬礼するしぐさをしてきた。

「システムベンダーが多いですが、本当にエネルギーの展示会なのかと思ってしまいます」

「アメリカは電力を自由化し、さらにスマートメーターを普及させたことで、ITを使ったサービスがどんどん出てきているからな」

 そう言って、森田さんは電力業界のことを詳しく教えてくれた。