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 効果的な資料作成をテーマに連載をスタートする。コラムタイトルの「勝負ドキュメント」とは、企画書や提案書といった、仕事の主要局面での成否を分ける重要なドキュメントを表すために筆者が作った用語だ。今回はその作成手法の基本原理を説明する。筆者がロジカルシンキングの進化形として整備しているもので、正式には「ストラテジックライティング」と呼んでいる。

 ベースとなるロジカルシンキングは、米国の戦略コンサルティング会社に由来する情報整理の手法だ。日本語では論理思考と訳されるが、発想法や思考法ではなく、資料作成やプレゼンの手法である。

 アイデアを生み出すこと以上に、それを評価してもらえるように伝える力が重要になる局面は多い。ロジカルシンキングが広く普及したのは、経営層などの意思決定者が判断しやすい資料の作成を可能にするからだ。

 ただし多くのロジカルシンキングの解説書は経営企画向けのもので、技術者向けとはいえない。そこで、ITの分野で使われる情報モデリングの知識を使うことで、技術者にも理解しやすく、体系的に広く活用できるようにしたものが、ストラテジックライティングである。