今回は、ドキュメントの骨格の中に埋めていく文章(段落)や図表の構造を考える。これらはもともとツリー構造ではないが、ツリー構造という視点を持つことで分かりやすい説明が可能になる。前回の事例の続きを使って、説明していく。
事例は、顧客に納品した自社システムの応答が遅くなったことへの対策を求められたというものだ。
応答が遅くなった原因は、DB処理のパフォーマンスの低下だった。そしてその根本原因は、データ量の増加に比例して処理時間が増えたことと、後から追加された他社システムのデータ更新処理待ちが多発していることだと分かった。それらの原因への対応策として、それぞれに2つの打ち手が案として挙がった。
さて、実際に対策を実行に移す前に、どの原因に対応すべきか、どの対策を打つべきかを判断する必要がある。以下で順に見ていく。
どの原因に対応すべきかを評価した結果が図1だ。リリース時と現時点での所要時間の内訳を表した帯グラフである。図中の赤い数字と矢印については後述する。
こうした図は、提示するだけでは作成意図通りに読んでもらえるとは限らない。正確に伝えるためには、図表が表現していることの意味をテキストで記述する必要がある。以下に図1を説明した例を示す。