全1918文字

問題の原因を遠回しに記述

 課題1と課題2のどちらも、何が問題かを明確に示せていない。ロジカルシンキング用語でいう「So What?」がないのである。実は誰が聞いても悪いと納得できることは多くない。人命や健康に関わること、法律に触れること、経済的な損失につながることの3種類くらいである。情報が整理されていないくらいのことを問題と思うかどうかは人それぞれの基準次第だ。

 さて、例文の課題の記述では一体何が言いたいのだろうか。この疑問を解消するヒントとなるのが1行目の「見積もり依頼~見積もり結果報告~影響する他システムへの見積もり依頼における課題」である。

 システムの追加開発では、関連するシステムに影響が及ぶことがある。この改善提案では、発注者が追加開発の見積もり依頼を業者に出して、回答として戻ってきた見積もり結果報告を見て、影響する他システムへ改めて見積もり依頼するという業務の流れが前提となっている。

 指摘している2つの課題はどちらも「影響する他業務システムへの見積もり依頼が大変になっている」ことだと考えると辻つまが合う。十分な情報がなかったり、何を書けばいいのか分からなかったりするため、見積もり依頼の作成に時間がかかったり、必要な要件が抜け落ちてしまうことが問題なのだ。

 課題1と課題2はこの問題について、それぞれの原因を遠回しに記述している。課題1では、他システムに見積もり依頼をするための記載様式が規定されていないという原因、課題2では、改修対象のシステムの業者からの回答が不十分であるという原因である。