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 間違う人はこれを逆に答える。根拠が「総武線が遅れていること」で、結論が「鈴木さんと山本さんが遅刻していること」としてしまう。

 もっとシステムの現場寄りの話で考えてみよう。

 うちの案件管理システムで、案件登録と案件クローズの処理応答が悪くなっている。どちらも案件テーブルのデータ更新をしているから、案件テーブルの更新処理が遅くなっているんじゃないのか?

 これも最初の問題と同じ構造をしている。根拠は「案件登録と案件クローズの処理応答が悪くなっている」ことと「どちらも案件テーブルのデータ更新をしている」ことで、結論は「案件テーブルの更新処理が遅くなっている」ことである(図3(b))。最初の例題で何が根拠で何が結論なのかの判断が怪しかった人は、この問題でも逆に答えてしまったのではないだろうか。

 根拠と結論についての誤りが生じるのは、「原因」と「結果」の関係と取り違えているからではないかと考えられる(図4)。結論は結果であり、根拠は原因であるという具合に捉えている可能性がある。しかし2つの例題の発言はいずれも、原因を考える論理構造である。そのため、根拠は結果で、結論が原因になる。

図4●原因と結果の関係
図4●原因と結果の関係
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