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 「AI(人工知能)」という言葉が氾濫しています。読者のみなさんも最近、何かと耳にする機会が多いのではないでしょうか。「囲碁に強いAIが登場し、世界最上位のプロに勝利した」「株式などの投資にAIが導入され、高い収益を出している」「AIの発達によって、自動車の完全自動運転の実現が、時間の問題になっている」など、AIに関する話題は数え切れないほどたくさんあり、AIが非常に身近に思えるようになっています。

 しかし、AIがどのようなもので、どのように利用されるのかはよくわかっていない、というエンジニアは少なくないのではないでしょうか。

 そこでここでは、AIとは何かやAIを活用した業務の高度化、AIを組み込んだシステム構築などについて、基本的なポイントを伝えていきたいと思います。企業情報システムでのAI活用を想定して解説します。

 その部分を明らかにし、対応の指針を示すことで、AI活用に対する第一歩を踏み出せるようになるはずです。

 まずはAI入門として「AIで何ができるのか、AIはどのようにして作られているのか」という概要から説明していきたいと思います。

強いAIと弱いAI

 ところで「AI」という言葉を聞いて読者のみなさんは何を思い浮かべますか。

 米グーグル(Google)の囲碁AI「AlphaGo」、米IBMのAIサービス「Watson」などを思い浮かべる人が多いかもしれません。仕事を離れたところでは、「ドラえもん」のようなロボットが浮かんだ人もいるかと思います。

 実際に少し前までは、AIといえばドラえもんのように自我や意識を持ち、人間のように自由に話し、手や足を自在に動かしたりできる万能な人工知能を思い浮かべる人が多かったのではないでしょうか。

 しかし今、現実に話題になるAlphaGoやWatsonの活用シーンをテレビなどで見ると、ドラえもんの世界で描かれている「何でもできる人工知能」とは少し違う世界が広がっています。

 AlphaGoは囲碁の世界では世界最高峰のプロに勝つほど優れていますが、ドラえもんのようにネズミに驚いたり、ジャイアンにいじめられているのび太くんを慰めたりすることはできそうにありません。AlphaGoのようなAIと、ドラえもんに搭載されているAIには大きな違いがあるのは、すぐにお分かりいただけると思います。