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 今回からは、まさに現在のAIブームの主役ともいえる、機械学習を使ったモデルの構築について理解を深めていきます。機械学習によってモデルを構築するための手順を追いながら、そのポイントを説明します。

手間要らずになる機械学習モデルの構築

 機械学習を使って構築したモデル(以下、「機械学習モデル」)は既に様々な業務で活用されています。その1つが、人間が判断するための指標や材料の提示です。さらに最近では、人間の判断を代替し得るものとして、実際の業務での活用が進みつつあります。

 機械学習モデルを適用したAIの活用事例としてまず思い浮かぶのが、画像や音声の認識、文章の翻訳です。またEC(電子商取引)サイトといったオンラインサービスでのユーザーの嗜好に合わせた商品・コンテンツの提示や、ものづくりの現場における製品や装置の異常検出といった業務では、機械学習で作成したモデルが担当者に代わってタスクをこなすようになりました。特定のタスクに関するデータからモデルを構築し、それを導入することで、人間の担当者よりも高精度かつ高速に大量の判断・予測が自動で可能となりつつあるのです(図1)。

図1●AIによる意思決定の代替の例
図1●AIによる意思決定の代替の例
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 定型化しにくい業務においても、機械学習モデルは活用されています。例えば、小売業者の出店戦略の立案や、需要予測のような業務では既に機械学習モデルが使われています。これらの業務ではモデルがアウトプットしたデータを参考にしながら、データ化されていない人や社会の複雑な動きを考慮して、人間が最終的な判断を下します。モデルのアウトプットが、判断材料の1つとして活用されるのです(図2)。

図2●AIによる意思決定のサポートの例
図2●AIによる意思決定のサポートの例
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