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 「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」が現在のエンタープライズIT分野における注目キーワードであることに異を唱える人は少ないだろう。人工知能(AI)やロボット、IoT(インターネット・オブ・シングズ)などに並ぶ新たなテクノロジーの1つであり、「働き方改革」や「ホワイトカラー(頭脳労働者)の生産性向上」といったビジネストレンドを支える手段として関心を集めている。

 RPAが注目されている要因として、導入効果の高さが挙げられる。人手でこなしていた事務作業をRPAで自動化すると、場合によっては作業時間を80%以上短縮できる。人手で操作していた情報システムを含めて、これまでの事務の在り方を変革できる。

 オフィスの事務作業を効率化する効果を見込んで、RPAの導入を検討し始めた企業が日本全国で急増している。その一方で「RPAの実体がよく分からない」「どんな業務でも導入効果が上がるのか疑問だ」「導入するためにどのような作業が必要なのかが分からない」といった声も聞かれる。

 この講座ではRPAの基礎知識はもちろん、導入に必要な要件や、ツール選びの勘所などをできるだけやさしく説明していきたい。初回は導入編として、RPAとは何かに加えて、RPAが注目を集めている背景を見ていく。

PCを使ったルーチンワークを代替

 RPAとはソフトウエアの「ロボット」を使って、いわゆるホワイトカラーが担っている事務作業を自動化する技術を指す(図1)。

 ホワイトカラーの事務作業には様々な種類があるが、現在のRPAが主な対象としているのはPCを使った定型的なルーチンワークである。データの入力や検証、転記などが典型例だ。「あるシステムで処理した結果を別のシステムに入力する」「毎週決まった日にECサイトを開いて自社製品の価格情報をExcelに記録する」といった異なるシステム間をつなぐ作業も、日本企業ではよく見られるルーチンワークの1つである。

 RPAはこうした「PC雑務」をロボットで代替する。ロボットといっても物理的な動作を行う機械や装置ではなく、コンピュータ上で動いて事務作業を担うソフトウエアを指す。ソフトウエアロボット(ソフトロボ)、仮想ロボットのほかデジタルレイバー(仮想知的労働者)と呼ぶこともある。

 日本では2016年後半から急速に注目を集めつつある。当初は銀行や保険会社をはじめとする金融機関で導入が進んだ。大量のドキュメントを扱うルーチンワークが多く、高い導入効果が期待できたからだ。現在は製造業など金融機関以外へも広がりを見せている。

 現在のRPAはあらかじめ決められた規則(ルール)にのっとって作業を進める形の自動化が多い。近い将来はRPAとAIを組み合わせたシステムが登場する見込みだ。そうなるとルーチンワークだけでなく、ホワイトカラーが担う高度な意思決定まで代行できる可能性が出てくる。

図1●RPAの概要
図1●RPAの概要
まずは基礎を理解する
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