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コンピューターが2進数を使う理由

 では次に、コンピューターの世界では、なぜ2進数のことが話題に上がるのかを説明しましょう。

 コンピューターがIC(Integrated Circuit=集積回路)と呼ばれる電子部品から構成されていることをご存知ですね。計算を行うCPU(プロセッサ)も、情報を記憶するメモリーも、その実体はICです。ICは、黒いボディーに何本もの銀色のピンが付いた「ムカデ」のような形状をしています。個々のピンに電気で情報(データやプログラム)が与えられることで、コンピューターが動作するわけです(図2)。

図2●複数のピンで複数桁の2進数を表す
図2●複数のピンで複数桁の2進数を表す

 電気の単位がV(ボルト)で表されることもご存知ですね。例えば、皆さんの家庭には100Vの電気が来ています。それでは、ICを使って10進数の0~9という情報を表すには、どうしたらよいと思いますか。ICの1本のピンを10進数の1桁として、0V~9Vの電気で0~9を表すと思いますか?

 答えは、NOです。ICは、1本のピンで0Vと5V(他の電圧のペアを使う場合もあります)の2種類の電気しか取り扱えないようになっています。そういう仕組みになっているのです。

 この0Vが数字の0、5Vが数字の1を表していると考えれば、ICの1本のピンで2進数の1桁を表すことができます。つまり、ICは、複数のピンをセットで使って(64ビットコンピューターなら64本)、あらゆる情報を複数桁の2進数で表しているのです。皆さんが、キーボードから10進数で数値を入力したとしても、コンピューターの内部にあるICは、その数値を2進数で表して処理しているのです。図2を見て納得してください。

 なお、2進数で数値を表すときに、0101のように、上位桁が0であっても0を明示することがあります。例えば、0101を単に101とは書かない場合があります。これは、その2進数を表すのに、ICのピンを何本使っているかを明示するためだと考えてください。もしも8本のピンで1を表すなら、00000001という8桁の2進数にします。