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 みなさん、こんにちは。式町久美子です。最近は、ITエンジニアがシステム提案に関わるケースが増えていますね。でも、「何をどうやっていいのか分からない」と頭を抱えている人は多いのではないでしょうか。対象業務の専門家や、サーバーやストレージをはじめとするインフラチームの担当者など、さまざまな人たちが一体となって動く大規模システムの提案活動は、1人で担当できるような小規模システムの提案と異なり、そのプロセスは非常に複雑です。

 顧客の関心事をいかに的確に捉えて期待に応えられるか、他のメンバーとどう協力して進めるか、複雑な内容をいかに分かりやすく伝えるか―。過去に提案活動に実際に関わったことがあるITエンジニアでも、毎回悩みながら手探りで新たな提案活動に参加しているのが実情です(図1)。

図1●提案活動に悩むITエンジニアは多い
図1●提案活動に悩むITエンジニアは多い
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 昨今、欧米を中心に提案活動で受注を勝ち取るための「プロポーザルマネジメント」という方法論が確立され、グローバルスタンダード化されつつあります。提案活動に従事する人々のグローバルな非営利団体「APMP(Association of Proposal Management Professionals)」では、プロポーザルマネジメントのベストプラクティスを国境を越えて共有し、その能力を証明する認定試験を実施しています。

 私(式町)は、前述したAPMPメンバーの一人であり、APMP国際認定資格の「APMP認定プロポーザルプロフェッショナル」(CPP APMP)を取得しています。前職の外資系IT企業でプロポーザルマネジメント専門チームを立ち上げて以来、法人向け提案活動に従事してきました。APMPの日本支部を立ち上げ、プロポーザルマネジメントの普及に努めています。

 プロポーザルマネジメントは、大規模システム提案のような複雑な提案活動を、受注確度を高めながら効率良く進めるための優れたガイドを提供してくれます。私が学んだプロポーザルマネジメントをベースにやさしく解説しますので、ぜひ、提案活動もバッチリこなせる“一目置かれるITエンジニア” を目指してください。

 本講座では、うまくいかなかった提案事例を、その事例を担当したSEの回想で紹介します。いずれも架空の例ですが、実際にあったことに基づいています。うまくいかなった提案事例は何が良くなかったのか、どうすればいいのかを解説した後、次につなげるために、うまくいくイメージトレーニングをします。第1~2回のテーマは「提案活動の動き出し」と「自社の強みを見いだすこと」です。