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 第1回のような状況に陥るのを避け、受注を勝ち取るにはどうしたらよいでしょうか。そのためには、「自社でしか実現できない強み」を自分たちで見いだし、その強みを顧客にも認識してもらい、顧客から見て「競合よりも自社の方が魅力ある状況」を作り上げることが必要です(図1)。そして、競合よりも早く顧客が期待することを特定し、その期待する内容と自社で実現可能な内容(体制なども含む)とのギャップを埋めるための活動をいち早くスタートさせます。

図1● 自社にしかない優位性を見いだす
図1● 自社にしかない優位性を見いだす
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 自社の強みというのは、独りよがりに「競合よりも優れている」と思っているだけでは当然ダメで、顧客から見て強いと認識されることが重要です。例えば、「競合の製品よりも自社の製品の性能が高い」ことを強みとして打ち出そうと考えても、それが顧客の興味の範囲外であれば、少しも強みとはなり得ません。競合がひしめく中で、「自分たちでしか実現できない強み」を見いだすのは意外と難しいことです。

 そこで、ここからは自分たちの強みを発見するための具体的な進め方について見ていきましょう。ポイントは三つあります。「(1)顧客を理解する」「(2)競合を理解する」「(3)自分たちを理解する」―ことです。顧客がビジネス上実現したいことのうち、競合では実現できず自社にしか実現できない優位性を探し当て、顧客に認識してもらうことが重要です。