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 第1~2回は、提案活動を始める際にスタートの早さが重要であることと、自社の優位性をいち早く見つけ出して提案までに強化することが大切だと説明しました。

 それらを踏まえて第3~4回は、自社の優位性を顧客に認識してもらうためのコミュニケーションツールを取り上げます。具体的には「エグゼクティブサマリー」です。これは一般に、短時間で提案内容の優位性を理解してもらえるように簡潔にまとめた資料のことです。提案内容を評価する上級管理者や経営幹部は多忙のため、提案書のすべてに目を通す時間はありません。一つの案件の意思決定にかけられる時間は非常に限られています。その限られた時間内で自社の提案が顧客にとって最良の選択であると納得してもらうために、提案書とは別(または提案書の冒頭)にエグゼクティブサマリーを作成します(図1)。

図1●上級管理者は提案書を全部読む時間がない
図1●上級管理者は提案書を全部読む時間がない
そこで、限られた時間内で自社の提案が最良の選択であると納得してもらうことを狙って作るのがエグゼクティブサマリーである
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 このように書くと、「自分は上級管理者や経営幹部に直接プレゼンする機会はないから無関係」と思う人がいるかもしれません。しかし、あなたが提案活動に関わろうとするなら、その考え方は改めるべきです。エグゼクティブサマリーは、「顧客のビジョンや課題」と「自分たちの提案」とを結び付ける重要な役割を果たす資料であり、提案活動に携わる人なら必ず作り方を知っておくべきものです。