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 Google App Engineは、インターネット上に公開するWebアプリケーションを開発、作成するためのPaaSである。2008年に初めて登場してから、PHP、Java、Python、Go言語がサポートされるなど、様々な仕様の改良・改善が施されている。

 App Engineの魅力は、米Googleが基盤を運用するフルマネージドサービスである点だ。実際、グローバルに展開しているエンタープライズシステムで、数人のアプリケーション開発者のみで運用している事例もある。

 Webアプリケーションやモバイルバックエンドを構築するためのPaaSであるApp Engineには、Standard Environment(SE版)とFlexible Environment(FE版)がある(表1)。

表1●App EngineのSE版とFE版の違い
出所:GCPの公式ページ「App Engine環境の選択」を基に一部編集
表1●App EngineのSE版とFE版の違い
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 SE版は機能が限られるが、インスタンスの起動時間がミリ秒単位(遅くても数秒)と高速である。Compute Engineの仮想マシンインスタンスで行うオートスケールと比べても、App EngineのSE版は突発的なトラフィック増に対して高いサービスレベルを維持したままサービス提供できる。

 一方のFE版は、SE版に比べて機能が豊富で自由度が高いが、インスタンスの起動に分単位で時間が掛かる。バックエンドのインスタンスにCompute Engineを使っていることからローカルディスクへの書き込みが可能であり、リクエストのタイムアウトも60分と長い。

 まずはSE版で要件が満たせるかどうかを検討し、機能面で問題がある場合にはFE版の利用を検討するのがよい。なお、FE版でバックエンドに使用する仮想マシンインスタンスは、Google側のメンテナンスの影響により週次で再起動されるなど、通常の仮想マシンインスタンスにはない制約がある。