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 プロジェクト・マネージャ(PM)の仕事とはいったいどんなものでしょうか。PMの仕事はひと言で言うと、「プロジェクト・チームや関係者を動かして、プロジェクトの目的達成という結果を出すこと」です。

 具体的にどんな仕事なのかは、「プロジェクトとは何か」を考えると、おのずと見えてきます。プロジェクトとは、簡単に言えば、「目的・目標が定義され、期限が定められた一度限りの(繰り返しではない)活動」です(図1)。PMは、そのプロジェクトを運営する管理者、言い方を変えればプロジェクトの「経営者」あるいは「事業部長」に当たります。目的・目標を達成するために計画を立て、現状を把握し、見通しを評価し、遅れや問題点があればそれを取り除きます。

図1●プロジェクトの定義とプロジェクト・マネージャの仕事 
図1●プロジェクトの定義とプロジェクト・マネージャの仕事 
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 つまりPMは、定められた期限に応じて、適切なコストや品質の成果物が出来上がるようにする、すなわちQCD(品質、コスト、納期)をコントロールするわけですが、プロジェクトは「一回限り」の活動ですから、必ずしも「定番」のやり方がありません。作業の繰り返しによって、自然に生産性や品質が上がっていくことも、あまり期待できません。

 これらのことを前提に、ここでは、PMの仕事をこなしていく上で最も重要な二つのポイントについて解説していきます。一つは、「PMの仕事は、設計や実装といったITエンジニアの仕事の延長線にはない役割であること」。もう一つは、「何が起こるか分からないプロジェクトで、少しでも早く正確な情報をつかみ、まだ起こっていないリスクを管理すること」です。