第3回では、IPアドレスを取り上げる▼。
IPアドレスはIPパケットの宛先を示すために使われる情報である。パソコンやサーバーなどのコンピュータには、1台ずつ異なるIPアドレスを割り当てる。また、そのようなコンピュータが所属するネットワークにも、IPアドレスを割り当てる。コンピュータ(ホスト)に割り当てるIPアドレスを「ホストアドレス」、ネットワークに割り当てるIPアドレスを「ネットワークアドレス」と呼んでいる。
IPアドレスは基本的には「0」と「1」が32個並んだ2進数のビット列だが、人が見やすいように4個の10進数を組にして表記するのが一般的だ。
IPアドレスは、ネットワークを表す「ネットワーク部」とホストを表す「ホスト部」で構成されている。図1の左側に示したのは、「192.168.10.1」というホストアドレスと、「192.168.10.0/24」というネットワークアドレスである。ネットワークアドレスにある「/24」は、ネットワーク部の長さを示す値である。24ビットがネットワーク部、残りの8ビットがホスト部になる。この場合、256(2の8乗)から2を引いた▼254個のホストアドレスを作れる。
ネットワーク部とホスト部の関係を理解するため、「192.168.10.0/24」のネットワーク部の長さを変えてみよう。アドレスの末尾の8ビットを自由に変えられるという条件で、ネットワーク部の長さを24ビットから28ビットに長くする。
ホスト部の長さは4ビットに短くなるため、ホストアドレスを割り当てられるパソコンの台数は、16(2の4乗)から2を引いた14台となる。一方、ネットワーク部の末尾4ビットを変えられるので、ネットワークアドレスは16個設けられる。