プレゼンテーションのときに見られているのは、発表内容だけはありません。発表を聞く人は、発表者の立ち振る舞いや雰囲気を見て「本当に大丈夫かな」と判断をしています。プレゼンはプレゼンス(話し手の存在感)、コンテンツ(話す内容)、デリバリー(伝え方)といった3つの要素の掛け算で成り立っています。立ち振る舞いや雰囲気はプレゼンスに当たります。
特にフォーマルなプレゼンでは(1)登場時の見え方、(2)服装、(3)相手との距離感を意識してコントロールすべきです。
(1)の登場時の見え方では、姿勢と動きを意識してコントロールします。会場や会議室に入る登場シーンは、自分が思うよりも周りに見られています。この際、姿勢は無言のメッセージを周囲に発信します。
例えば、胸を張ると「自信がある」という印象や成功のイメージを与えます(図1)。頭を高く上げるため、周囲を見回しやすく、余裕を感じさせます。前傾姿勢は知性を感じさせるものの、弱いイメージを与えます。下を向いていたり、お笑い芸人のようにペコペコと頭を下げながら登場したりすると、服従や愛嬌という非言語メッセージにもつながります。上半身を反らした姿勢は、尊大で威圧的なイメージを与えます。