怒りの裏には別の感情がある
そもそも、怒りという感情はどのようなメカニズムで生まれるのだろうか。怒りのメカニズムを知ると、怒りと上手に付き合える。
どんなに「怒りやすい」人でも、怒りは急に降って湧いてくるものではない。実は怒りになる前には本当の気持ちがあるのだ。
心の中にコップがあるとイメージしてみよう(図1)。その中に毎日「疲れた」「辛い」「心配」「不安」「不満」といったネガティブな感情がたまっていく。出来事に対する直接的な感情のことを「第一次感情」と呼ぶ。この第一次感情がたまり心のコップからあふれると怒りとなって現れる。怒りは「第二次感情」といわれ、怒りの裏には本当の気持ち(第一次感情)が隠れているのだ。
ネガティブな第一次感情は、だいたいは一晩寝れば減ったりなくなったりする。しかし、ストレスが高い状態では、一晩経ってもネガティブな感情は十分に減らなくなる。不機嫌になり、些細なことでもイライラする「怒りっぽい人」になってしまう。
セルフコントロールとしては、怒りの裏にある本当の気持ちに自分で気付けると、怒りにまで至らずに済んだりする。心のコップの中にはどんな感情が入っているだろうか。心のコップが満杯になる前に、ぜひ、その中にある第一次感情に目を向けるようにしよう。
ほかの人とのコミュニケーションも同様だ。怒っている人は、第一次感情を分かってもらいたくて怒っているといっても過言ではない。相手の怒りの中にある第一次感情に目を向けた接し方に変えると、怒りがスッと引いたりする。
