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 一見して覚えることが多くややこしく思える会計ですが、本質が分かれば、理解するのは決して難しいことではありません。本講座では「知識不要」「暗記不要」のコンセプトに基づいて、徹底して本質を掘り下げ、会計アレルギーや初心者の方でも分かるように基本から解説していきます。

 前回は、決算書の一つである「貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)」の役割について解説しました。記憶があやふやな方もいると思いますので、まずは前回のおさらいから始めましょう。

 あなたは、自分の所持金100円と友人の佐藤さんから借りた500円を元手に、リンゴ売りの商売を始めました。元手の600円を使って、商品である1個200円のリンゴを3個仕入れたところで、1日目が終わりました。その晩、1日目の仕事を振り返る過程で、「今持っているもの」と「お金の出所」を表す2枚の紙ができました。この2枚の紙は、目の前にあるリンゴ3個をそれぞれ違った視点で表しているだけですから、どちらの合計金額も600円で同じになるのです(図1)。

図1●1日目終了時点での「今持っているもの」と「お金の出所」
図1●1日目終了時点での「今持っているもの」と「お金の出所」
前回解説したとおり、「今持っているもの」と「お金の出所」という二つの違う観点で手元にある3個のリンゴをとらえ、紙に書き出し左右に並べた。これが、決算書の一つである貸借対照表(B/S)になる
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 この「今持っているもの」と「お金の出所」という2枚の紙を左右に並べたもの。これが、「貸借対照表」の本質です。2枚の紙に書かれた金額の合計は、常に一致してバランスが保たれています。英語では「Balance Sheet」と呼び、「B/S(ビーエス)」と略されます。