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 損益計算書(P/L)は、この講座の第2回で登場しましたが、覚えていますか。記憶が定かでないかもしれませんので、簡単におさらいしておきましょう。

 200円で仕入れたリンゴを300円で販売できれば、差し引き100円の儲け(利益)が発生します。

 300円 - 200円 = 100円
 (収益)  (費用)  (利益)

 損益計算書とは、こうした、商売によって生じた利益の算出過程を記録した表です。ただし商売は継続して反復的に行いますから、取引の数は膨大になります。取引1件ずつについて利益を計算して合計するのは非常に面倒です。実際の企業の活動では、交通費や広告宣伝費などの様々な費用も発生しますからなおさらです。

 そこで、多数の取引における「収益」と「費用」の差を視覚的に分かりやすく表すために、金額に比例した高さのブロックを積むことにします。収益と費用で分けて二つの列に積み重ねていきます(図1)。

図1●儲け(利益)の計算方法
図1●儲け(利益)の計算方法
多数の取引における利益を算出するには、収益と費用に分けてそれぞれの合計額を算出し、最後に合計額同士の差を求めると分かりやすい。損益計算書で表される利益の算出過程は、この手順に沿っている
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 売上は収益の列に、交通費や広告宣伝費などの経費は費用の列に積んでいき、最終的に収益から費用を差し引いた額が利益というわけです。例えば先ほどのリンゴの例で、300円、120円、220円という売値で合計3個が売れたとします。そのときの利益はどうなるでしょうか。

 収益の合計 300円+120円+220円=640円
 費用の合計 200円+200円+200円=600円
 利益    収益の合計-費用の合計=40円

 このように収益と費用に分けて計算すれば、取引ごとに利益を計算するよりも、最終的な利益の金額を簡単に導き出せます。

 実際の損益計算書における計算の仕組みも同様です。収益と費用という二つの列ごとにブロックを積み重ねて、どちらがどれだけ高いかを集計する。これが損益計算書の本質です。

 なお、ここまで「利益」という言葉を使ってきましたが、実際の商売では「損失」が発生することもあります。以降では、「利益」と「損失」を合わせた「損益」という言葉を使います。