ITエンジニアには高い文章力が求められる。技術や業務の複雑な仕組みを、相手に合わせて誤解が生じないように記述しなければならないからだ。要件定義書や設計書といった開発ドキュメントでよく見られる悪文の修正を通じて、「速く読める」「理解が一致する」文章の書き方を解説する。

連載
開発ドキュメントの悪文修正術[正しい日本語]
目次
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第1回 文字を減らして簡潔に
よい文章の二つの条件
「速く読める文章」とは、歯切れよく引っかからずに読める文章。あるいは箇条書きのように構造化されていて、必要な情報の所在がすぐに分かる文章です。
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第2回 要素を切り出してシンプルに
1文に盛り込む話題は一つに絞る
「速く読める」文章を書くために、いろんな要素を切り出してシンプルにする方法を取り上げます。
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第3回 係り受けと名詞・動詞の統一
関係者の間で理解を一致させる
開発ドキュメントの最も大事な役割は、関係者の間で理解を一致させることです。理解が一致する文章を書くには、言葉の係り受けをはっきりさせたり、使う言葉を統一したりする必要があります。
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第4回 助詞の正しい使い方
多義の解釈ができないようにする
日本語の文では助詞が大きな意味を持ちます。助詞の使い方一つで、文全体の意味がガラリと変わることがあります。気を付けたいのは、助詞が多義であることです。