住宅建築において「地盤」とはどのような位置付けで考えられているか、地盤の状況を正しく把握していないとどのようなトラブルが生じるか――。この講座では住宅地盤に関して押さえておくべき基本的な概念と、代表的なトラブルの1つである「不同沈下」のメカニズムなどを、5回の講義を通じて学んでいきます。

連載
住まいの地盤診断 [地盤とは何か]
目次
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第4回 破壊と変形
地盤の支持力度(地盤の応力度)という専門用語があります。この言葉は地盤が破壊される瞬間にかかっている力を示しています。
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第5回 沈下はゆっくりやってくる
不同沈下が厄介なのは、沈下が徐々に進行する現象であることです。建物が完成したばかりの時には何ら不具合はなく、建て主には納得づくで引き渡したはずなのに、かなり時間が経ってからクレームの電話が鳴ることになります。
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第1回 地盤と土地
はじめに、「地盤」という言葉の意味から検証してみましょう。「地盤」という表現を日常生活で使うことはほとんどないのではないでしょうか。むしろ「地面(地べた)」や「土地」という言葉のほうが生活に溶け込んでいます。
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第2回 戸建て住宅はなぜ沈下するのか
高層ビルを建設するのであれば、何も対策を取らずに基礎工事に着手する人はいないでしょう。しかし、戸建て住宅を建てる時には地盤はそれほど重視されていません。地盤が構造材であるという認識が乏しいばかりではありません。戸建て住宅が軽量であるためです。
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第3回 均等沈下と不同沈下
沈下の仕方には2つのタイプがあります。建物への影響をあまり過大視しなくてもよい均等沈下と、大きな支障をもたらす恐れのある不同沈下です。均等沈下は建物がほぼ水平なまま沈下する現象、不同沈下は建物が斜めに傾いてしまうような現象を言います。