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 沈下の仕方には2つのタイプがあります。建物への影響をあまり過大視しなくてもよい均等沈下と、大きな支障をもたらす恐れのある不同沈下です。均等沈下は建物がほぼ水平なまま沈下する現象、不同沈下は建物が斜めに傾いてしまうような現象を言います。

 このうち、建物にとって大敵となるのが不同沈下です。不同沈下が発生して基礎が水平である状態を維持できなくなると、沈下の度合いの大きい部分に荷重が集中します。

 荷重の集中は2つの問題をもたらします。1つは、荷重がばらついて特定の部材に過大な負担がかかるようになることです。もう1つの問題は、沈下している部位のさらなる沈下が助長されることです。局所的な不同沈下を招く可能性が増します。

荷重が集中する悪循環に

 建物の構造材は、屋根や小屋梁などの上方の荷重を下方へ無理なく伝達する仕組みを備えています。不同沈下が発生すると、その荷重にばらつきが生じてしまいます。電気配線がショートしたときのように、期待されていた以上の荷重を受け持つことになった部材には、変形やゆがみが生じます。

 荷重が流れてくる柱や梁などの主要構造材(一次部材)は、本来は正方形や長方形を構成するように直交して緊結されていますが、不同沈下によって不整形な四辺形となり、そこに結合されている壁や開口部の枠などの二次部材にも連鎖反応的に影響が及びます。圧縮や引っ張りの力が働いて二次部材の末梢的な部位にまで不具合が生じてしまいます。

 また、荷重が集中すると、さらに局所的な不同沈下を招く悪循環に陥ります。戸建て住宅はそもそも絶妙なバランスで成り立っている建物なので、そのバランスがひとたび崩れると、復元しようとする抵抗力が働きにくくなってしまうのです。

 一方、建物が水平なまま均等に沈下するのであれば、部材同士の直交性が保たれたまま無理な力はかからないので、変形や歪曲は生じません。

図・不同沈下による住宅への影響
図・不同沈下による住宅への影響
不同沈下が起きると、各構造材が受け持つ荷重にばらつきが生じる(図:髙安 正道、日経 xTECH)
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