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 地盤の支持力度(地盤の応力度)という専門用語があります。この言葉は地盤が破壊される瞬間にかかっている力を示しています。

 物質に外力が作用してある大きさの力を超えると、その物質は破壊されます。建築構造の設計では材料が破壊されない程度の材料強度を設定し、そこに安全率を掛けて許容支持力度(許容応力度)と呼ぶ制限値(破壊強度)を設けています。地盤も物質なので上記の表現で強度を想定し、どの程度の荷重で破壊されるかが検討されます。

許容応力度と地耐力の違い

 非常に大きな外力が加わって許容値を超えると、物質は一気に破壊されてしまいます。地盤も同じですが、相手が比較的軽量な戸建て住宅の場合には、よほど軟弱な地盤でない限り、一気に破壊されることはありません。体積が収縮する「圧密」という現象の方が優位となり、破壊されずに沈下するという特異な状態に陥ります。

 その際に、破壊と圧密の双方に対応できる地盤強度の表現として「地耐力」という言葉が使われることがあります。建築基準法ではこの「地耐力」という言葉は使われていません。破壊強度を表す許容応力度について規定されているだけです。

 それは破壊強度の方が計測しやすいからです。地盤が変形する圧密現象を客観的に究明して数値化する手法はまだ確立されていません。それでも、不同沈下で被害を受けがちな戸建て住宅では、圧密を含めた地耐力を推定しないと地盤を解析したことにはなりません。

図・圧密のメカニズム
図・圧密のメカニズム
土中に含まれる水(土粒子間の間隙水)が上方荷重によってしぼり出されるように排出され、地表面が下がる(図:髙安 正道、日経 xTECH)
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