全2742文字
PR

複数部門、役員の巻き込みが不可欠

 最後に、体制面について解説します。DXは新しいビジネスやサービスを生み出すプロジェクトなので、ユーザー企業の1つの部門内だけで進めることは少なく、複数の部署が連携するのが普通です。プロジェクトの内容にもよりますが、企画部門、マーケティング部門、業務部門、IT部門などが関係します。

 これらの部門のそれぞれにおうかがいを立てながら進行すると、意見もまとまらないし、間違いなく時間がかかってしまいます。そのため、プロジェクトを請け負ったITベンダー側からユーザー側に組織横断的なチームを作ることを提案したり、社長や役員が直接意思決定する枠組みを作ってもらったりすることが重要です(図3)。

図3●DXプロジェクトを進める際の望ましい体制
図3●DXプロジェクトを進める際の望ましい体制
[画像のクリックで拡大表示]

 また各部門から長期的な協力を仰ぐために、部門長への情報共有は必ず必要になります。プロジェクトの検討内容や状況を、プロジェクト計画書として常に見える化しておくことも重要です。

 以上を踏まえて、DXプロジェクトを手掛けるPMやリーダーが、プロジェクトをうまく回すための3箇条をまとめます。

  1. DXプロジェクトでユーザーに要件を求めるな、むしろ提案して一緒に決めるべし
  2. PoCは1回ではなく、何回か開発サイクルを回す前提のスケジュールを引くべし
  3. ユーザー側に横断検討チームを組織してもらい、役員クラスを意思決定者として巻き込むべし

 次回以降、これらのポイントにDXプロジェクトの現場でどう取り込んでいくのか、具体的に説明していきます。

下⽥ 幸祐
JQ 代表取締役社⻑
2001年、早稲田⼤学政治経済学部卒業。アクセンチュアに入社し、官公庁本部で⼤規模開発プロジェクトにおける開発やプロジェクト推進、情報化戦略計画策定など幅広い業務に携わる。2007年、マネジャー昇進後に退社し起業。⾃社Webサービスの企画・開発・運営を⾏いつつ、⼤⼿企業の新規事業の戦略⽴案、アプリやシステム開発プロジェクトのプロジェクトマネジャーを歴任。得意領域はAI・IoTを活⽤したサービス開発などのDX案件や、新事業・サービス案件、デジタルマーケティング基盤構築案件など。