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 働き方改革への取り組みの広がりなどを背景に、企業や店舗での無線LAN導入が広がっています。家庭用の無線LANと違い、業務で利用する無線LANにはより高い通信品質や安全性が求められます。設計や構築にも、知識やノウハウが必要です。

 本講座では、無線LANの設計や構築に必要な基礎知識を、イラストを使って解説します。無線LAN設計のポイントのほか、通信速度を向上させるための主要技術についても紹介します。

 第1回は無線LANの電波設計を取り上げます。

 実用性が高い無線LANシステムを構築するには、ネットワークの設計に加えて電波に関する設計が必要になります。電波設計は五つの工程に分けて実施します(図1)。

図1●電波設計の基本的な手順
図1●電波設計の基本的な手順
「要件整理」「机上シミュレーション」「事前電波測定」「電波設計」「事後電波測定」の五つの手順に分けて進めていく。電波干渉や電波の減衰のポイントを考慮して設計を実施する。(イラスト:なかがわ みさこ)
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 最初が「要件整理」です。利用するユーザー数や、端末種別、利用する無線LAN規格などを確認します。アクセスポイント(AP)をどこに設置するのかも重要なポイントです。これによって設計ポリシーや作業内容が決まります。

 「机上シミュレーション」では、エリアの図面を使ってAPの台数を試算します。無線LAN構築の経験が豊富なインテグレーターであれば、どの機種のAPがどのくらいの距離をカバーできるかといった知見を持っています。

 「事前電波測定」では、現地の実際の電波状況を調査します。まず電波の阻害要因になる壁や障害物を目視で確認します。次にAPを仮設置して壁や天井などの電波の透過率などを調べます。社内外からの干渉波といった電波の状況も調査します。