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 永久磁石同期モーター(PMSM)*1では、ローターの永久磁石の磁束とU、V、Wの各相のコイルが作る磁束の吸引・反発によって、トルクが発生する。このとき、ローターの磁束はN極とS極の結合面の磁束方向(q軸)と、N極の磁束方向(d軸)の2軸で捉えられる(図1)。

図1 三相座標系とq軸、d軸の関係
図1 三相座標系とq軸、d軸の関係
ローターの磁束を、q軸(N極、S極の結合面方向)とd軸(N極の磁束方向)の2軸で捉えられる。(作成:筆者)
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 一方、コイルU、V、Wによって発生する磁束は、120度ずつ位相のずれた電流\(i_u\)、\(i_v\)、\(i_w\)によって発生する。特定の時刻tについて見ると、図2のような値となる。これらを120度の3軸上に投影してベクトル合成した合成磁束が、時刻tにおける磁束(図3の太い実線の矢印)となる。時刻が変化すると\(i_u\)、\(i_v\)、\(i_w\)が変化し、結果として大きさ一定の磁束が回転してローターを回転させる。モーター制御では基本的に、この磁束の方向をローターのd軸と直交するように制御する。

図2 三相電流
図2 三相電流
120度ずつ位相のずれた電流iu、iv、iwによって巻き線U、V、Wそれぞれに磁束が発生する。(作成:筆者)
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図3 三相電流による回転磁界
図3 三相電流による回転磁界
特定の時刻t について、三相の電流による磁束を合成した磁束が回転磁界で、これをローターのd軸と直交するように制御する。(作成:筆者)
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