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 幾つかのモーターについて具体的な特徴と制御技術を考えていこう。まず、永久磁石を使わないスイッチトリラクタンスモーター(SRモーター)*1である。その構造を図1に示した。

図1 SRモーターの構造
図1 SRモーターの構造
4極6スロットの一般的なSRモーターの構造。1組の対向する巻き線に流れる電流により発生する磁束によって、ローターの突極の一対をステーターの突極の一対に引き寄せることで、トルクを発生し、ローターは回転する。(作成:筆者)
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 SRモーターは低コストで、スタート時に高トルクであり、高速回転が可能である。信頼性が高く、単極励磁で駆動可能(巻き線によって作られる磁極はN極、S極のいずれでも良い)である。加えて、永久磁石が不要であることから、レアアースの供給問題を回避できる。ローターは型抜きした電磁鋼板を積層した構造である。巻き線がないため製作が容易であり、信頼性が高い。また、ステーターも集中巻きの簡単な構造となる。切り替え回路も単純であり、仕様の追い込みでも磁石メーカーとの折衝が不要であることなど利点が多い。従って、近年、用途が増えている。最大の問題点は、振動と騒音が大きいことである。その理由は駆動原理を見れば理解できる。

 図2は、SRモーターの駆動原理である。永久磁石を使用せず、コイルが作る磁極はN極とS極のいずれにすることも可能であり、ローターが励磁されたスロットに吸引されて回転する。このとき、ステーターの磁極が切り替わるごとに、磁気で引き合うローターとステーターの金属が機械的に伸び縮みする。これにより振動・騒音が発生するのである。

図2 SRモーターの駆動原理と振動発生
図2 SRモーターの駆動原理と振動発生
SRモーターでは、ローターが励磁されたスロットに吸引されて回転する。ローターとステーターが磁気で引き合うため、機械的な伸び縮みが起きて振動・騒音が発生する。(作成:筆者)
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