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SRモーターの駆動回路

図3 SRモーター駆動回路
図3 SRモーター駆動回路
(a)が原理図。励磁したいコイルに直列に入っているMOSFETをオンにするだけで駆動できる。実際は、(b)のようにコイルごとに2つのMOSFETを配置して効率を上げる。(作成:筆者)
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 SRモーターは、基本的にはコイルに電流を流すか否かによって駆動できる。このため、駆動回路はシンプルになる。図3(a)はMOSFETを使った原理図である。MOSFETがオンになると、コイルに電流が流れて励磁する。ただし、実際には図3(b)のように6個のMOSFETを用いて、電流を流したいコイルの上下にあるMOSFETを制御する。これにより、磁気エネルギーとしてたまった電流がダイオードを通って電源に戻り、エネルギーの無駄が少なくなる。なお、電源供給電線のインダクタンスによる電流の遅れを補償するために、キャパシタCを付加してある。具体的には目的や使用状況に応じた追い込みが必要だが、基本的にはこれで動かすことができる。数百Aの電流を流すことも可能だ。

図4 SRモーターの電力とトルク算出
図4 SRモーターの電力とトルク算出
SRモーターの軸トルクに関する電力Paは、起電力と電流の積によって計算できる(a)。これを用いてモーターの回転角速度をωmとすると、発生するトルクTmは(b)の式で計算できる。(作成:筆者)

 重要なことは、各巻き線のインダクタンスを正しく得るということである。ローターの突極部が励磁されたステーターの突極と接近すると、磁気インピーダンスが下がり、磁束が通りやすくなるのでインダクタンスが大きくなる。逆に離れれば、インダクタンスが小さくなる。一相当たりのコイルのインダクタンスの位置微分は\(dL/dθ\)であり、これを使ってSRモーターの電力とトルクを算出できる(図4)。

 電力の算出式のLの値に電流iが含まれるのは、磁気飽和によるインダクタンス低下を考慮しているためだ。SRモーターは磁気飽和が起きることを前提に設計されている。このためLは回転角θと電流iの関数であり、\(L(θ,i)\)と示される。

 なお、実際のモーターの発生トルクは上記電力を回転速度で割った値になる。例えば車両の場合では、アクセルペダルの踏み角と回転速度から電流を制御すれば、トルク制御が可能になる。車両では特にトルク制御が重要であるため、この原理は理解しておきたい。