コンクリートは社会基盤を形成するうえで、なくてはならない存在です。しっかりした体制でコンクリート施工に取り組むうえで、建設分野の技術者・技能者が知っておくべき「キホンのキ」を、数回の講座に分けて解説します。今回の本講座では、コンクリート施工の計画段階から現場での生コン受け入れまでの過程に注目。押さえておくべき勘所を分かりやすくまとめました。

コンクリート施工の基本[計画から現場受け入れ]
出典:日経BP刊「現場で役立つコンクリート名人養成講座 改訂版」(十河茂幸・信田佳延・栗田守朗・宇治公隆 共著、日経コンストラクション 編)をもとに日経 xTECHが再編集。
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目次
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第1回 コンクリートの性質と施工計画
建設現場では、予期せぬ状況に出くわすことが多い。急な雨、整備したはずの機械の故障、交通渋滞なども、現場に影響を与える。このような状況でも、現場の技術者に豊富な経験があれば、コンクリート構造物の不具合の発生を防ぐことができる。計画通りには進まない前提で、余裕のある施工計画を考えておくことも重要だ。
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第2回 現場条件と施工計画
打ち込みにどのくらいの時間がかかるかは、生コンの供給能力、現場までの運搬時間、打ち回しを考慮したポンプ圧送の能力、打ち込まれたコンクリートの締め固めに要する時間など、経験によるところが多い。どの工程にも過不足がなく、バランスの取れた施工計画が望ましい。しかし、どこかに不測の事態が生じると、その対応…
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第3回 JIS生コンのシステム
レディーミクストコンクリート(以下、生コン)はJISに規定された製品だ。しかし、それを用いたからと言って、コンクリートに不具合が生じない保証はない。生コンは荷卸し地点までの品質を保証するもので、いわば玄関先で受け取る生製品。受け取り後の扱いが重要であることは言うまでもない。そして、変動の少ないコン…
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第4回 生コンの現場受け入れ(1)
現場にレディーミクスコンクリート(生コン)が届いたら、現場の担当者は、所要の品質を確保しているかどうか、そして施工に適しているかどうかを速やかに判断しなければならない。そのためには、普段からコンクリートを見る目を養っておくことが必要だ。
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第5回 生コンの現場受け入れ(2)
下に、スランプ試験でスランプコーンを引き上げた直後のコンクリートの形状の例を示した。粗骨材が多くてガサガサしたコンクリートもあれば、モルタルの多いコンクリートもある。