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適切な打ち回しで不具合を減らす

 打ち重ねたコンクリート同士が完全に付着していない部分をコールドジョイントという。夏季に比較的厚く広い面積のスラブを、複数の層で打ち重ねて打設する場合に生じやすい。

 壁状の構造物でも、コンクリートの供給が途中で止まって時間が経過すると一体にならない場合がある。一体となることを前提にしたコンクリートなので、ひび割れと同様に劣化因子が侵入することが問題となる。型枠を外した後で打ち込みのまずさがよくわかるケースだ。事前の計画を大切にしたい。

 レディーミクストコンクリートを荷卸し地点で待たせてしまうと、スランプが低下して打ちにくくなるだけでなく、コールドジョイントの発生確率が高くなる。

 下の図は型枠内の打ち込みの順番を変えることで打ち重ね時間間隔が短くなり、コールドジョイントのリスクが減る方策を示したものだ。許容打ち重ね時間間隔(下層コンクリートに上層コンクリートを打ち重ねる時間間隔の許容値)は2時間以内、できれば1時間程度で考えておくと安心である。

図2・コールドジョイントの発生を抑える方法
図2・コールドジョイントの発生を抑える方法
図は計18ブロックを3層に分けて打ち重ねる際の断面図。いずれのパターンも丸数字の順に、20分ごとに打設していく
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 複数の層に打ち込む場合は、時間が経過して前の層の凝結が進むとバイブレーターなどで振動させても軟らかく戻らなくなり、後から打ち込んだコンクリートと一体にならない恐れがある。事前にコールドジョイントの危険性が高い箇所を計画から読み取っておくことが大切である。危険を事前に感じたら、前の層のコンクリートに再振動を作用させると少し軟らかく戻る。このようにコンクリートの性質をよく理解しておくとリスクが減ることになる。