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 木造の戸建て住宅では、基礎に大きな剛性強度は要求されていません。したがって、不同沈下によるわずかな傾斜が発生しただけで、それに対抗できずにクラックが発生します。

収縮クラックと構造クラック

 不同沈下によるクラックの出始めはコンクリートの乾燥に伴う細い収縮クラックと見分けがつきませんが、不同沈下が進行するにつれて、その幅が拡大していきます。

 幅が0.3mmを超えるとクラックに水が浸透します。この水がコンクリート内の鉄筋を腐食させるだけでなく、コンクリートを爆裂させて劣化させる可能性もあります。このクラックを「構造クラック」と呼び、収縮クラックと区別しています。0.3mmはシャープペンシルの細めの芯の太さ程度です。雨水の浸入を防ぐためにエポキシ樹脂を充てんして応急措置を講じることが必要になります。

 中には幅が数ミリメートルに達し、外側から内側へ貫通している状態のものもあります。こうなるとひび割れではなく破断している状態であり、基礎の連続性が失われ、耐震強度も期待できなくなります。
 品確法の細則である「技術的基準」(国土交通省告示308号「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準」)では、構造耐力上主要な部分に瑕疵がある可能性が高いとされる段階(レベル3)における基礎クラックの状態を規定しており、幅0.5mm以上のひび割れ、さび汁を伴うひび割れがその目安とされています。