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 サッシの開閉ができない、ドアの天地が枠に当たる、押入の戸が閉まらない──といった建具の開閉不良は、住まい手に生活上たいへんな不便を強いることになります。

 具体的には、エアコンが効かない、外から雨や砂が吹き込む、鍵がかからない、窓を全開にして換気ができない、などの問題が生じます。気密、断熱、防犯、快適さといった住宅の基本性能に被害が及ぶのです。10cmほどの高さから落下させた数個のゴルフボールがどれも同じ方向に加速度をつけて転がるようであれば、床が傾斜している証拠です。

傾斜の度合いを示す指標

 壁や柱、床の傾斜が、瑕疵(かし)として問題視されるレベルはどの程度なのでしょうか。品確法の「技術的基準」(国土交通省告示308号「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準」)では、構造耐力上主要な部分に瑕疵がある可能性が高いとされる段階(レベル3)に該当する壁や柱、床の傾斜を「6/1000以上の勾配」としています。

 分母は2点間の距離で、壁や柱の場合は2m程度以上、床の場合は3m程度以上離れていることを条件としています。分子は、壁や柱の場合は同じ鉛直線に対するそれぞれの点の距離の差、床の場合は2点間の沈下量の差で、分母を1000として換算します。

 例えば、桁行が10mの建物だとすると、両端で6cmのレベル差があるような不同沈下がレベル3に該当します。これぐらいの傾斜になっていると、これまで記してきたような不具合はほとんど出揃っているはずです。