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 DX(デジタルトランスフォーメーション)プロジェクトを上手に進めるノウハウを解説する本講座。今回からは、構想フェーズを取り上げます。

 基幹系システム開発プロジェクトの構想フェーズでは、パッケージ導入、レガシーマイグレーションなどシステム移行、システム統廃合などの構想を固める作業がメインになります。これらのケースの場合、取り組むべき課題は主にコスト削減やEOS(End of Support:サポート終了)に伴うシステム停止リスクの排除などです。

 それに対する解決策も、「SAP」「Oracle EBS」などのパッケージを導入する、開発言語をCOBOLからJavaに置き換えるなど、大体は予想できます。ある程度「何をするか」が明確なので、構想フェーズでは効果やコスト試算、フェージング・開発計画などの「どうやってやるか」に重きが置かれます。

 しかしDXプロジェクトでは、「何をするか」を定義するところから始まります。そのため、基幹系システム開発プロジェクトとは作業の内容が異なります。例えばB2C(消費者向け)のサービス構想策定作業の場合、誰(どんな消費者)に、なぜ、どのようなサービスを提供するのかを詰めていきます。基幹系システムのように既存システムや既存業務ありきではなく、どのようなシステムが必要なのかをゼロベースで決めていくのです(図1)。

図1●構想フェーズですべきことの違い
図1●構想フェーズですべきことの違い
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