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 筆者は50代の元リケジョ。学生時代は化学系を専攻し、社会人になってからはシステム開発の仕事をしていた。それももう遠い昔の話だ。ここ7年ほどは技術広報を務めており、開発の現場からは離れている。そんな筆者も周りに流され、日本ディープラーニング協会(JDLA)の「G検定」を受けてみることになった。だが、合格までの道のりは平たんではなかった。そんな筆者の受験記をお届けする。

 「みんなでG検定を受けるわよ!」

 2017年の秋のある朝、広報部長が部内ミーティングで目をキラキラさせて、みんなに言った。

 「これからはAI(人工知能)の時代なのよ。営業もG検定を受けるらしいし、うちはIT企業なのだから広報もAIが分からないとダメよね。さぁ、みんなでG検定を受けるわよ!」

 会社が戦略としてAIを推進していて、その年に発足したJDLAに参加。その冬からJDLAが新しい資格制度G検定を始めることになり、会社のAI戦略の一環で、合格したら受験料を補助してくれる上に奨励金も支給されることになった。AIの資格が手に入る上に報奨金までもらえるのだ!

 ということで、上司を含む広報担当者がみんなでG検定を受験することになった。「強制ではないのでイヤな人は受験しなくていい」とは言うのだが、技術広報担当、AI関連の広報担当としての見えが受験を決意させた。落ちるわけにはいかない。

「G検定は簡単らしい」とのウワサ

 当時としては始まったばかりの資格試験で、まだ誰も受験したことがなく、参考になる情報は公開されたシラバスと参考書籍だけだった。どこからか、「G検定は入門者向けだから簡単らしい」というウワサが流れてきた。

 参考書籍の1つ、『人工知能は人間を超えるか』(KADOKAWA/中経出版、2015年)はAI関連の広報担当になったときに読んでいたし、内容もそれなりに理解できていた。もしかしてこれなら楽勝かも、と大きな勘違いをして試験勉強は後回しに。夏休み最終日の子どものように試験の直前になって焦りだしだが、団体受験申し込みの社内締め切りはとうに過ぎてしまった。結局、落ちても受かっても受験料は自腹ということになった……。

 試験直前、『人工知能は人間を超えるか』をさらに2回読んで復習。2つ目の参考書籍『AI白書』(KADOKAWA)をパラパラと眺めてこんな感じかと思い、3つ目の参考書籍『深層学習』(講談社)は難しそうなのでパスした。「ディープラーニングを事業に活かすための知識を有しているかを検定する」とG検定の検定・資格概要に書いてあるので、数学とか統計とか難しいものはきっと出ないはずだ。

 会社がAIやG検定受験に関するセミナーを開催してくれた。もちろん申し込んだ、が、当日忙しくなって参加できず。「参加したかったなぁ、でも、忙しかったし仕方ないさ」と言い訳する。