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 マンションや戸建て住宅の不動産広告には、その建物に関する基本情報がぎゅっと盛り込まれています。例えば「面積」ひとつ取っても、敷地面積、建築面積、延べ面積、容積対象面積、(マンションの)専有面積などの項目が並んでいるでしょう。これらのうち専有面積以外の面積は「建築基準法」で定められている用語です。

 建築基準法は、建物の新築、増築、改修などを行う際に守らなければならない内容を定めた法律です。日常生活で直接接する機会はなくても、建物の売買や工事をする際には必ずかかわってきます。意味を知っておけば、こうした場面でとまどうこともありません。この講座では5回の講義を通じて、建築基準法に出てくる基本的な用語の意味や考え方、その用語がどのような場合に使われるのかを解説します。

「建築面積」と「延べ面積」の違いとは?

 この第1回講義では、前述した面積のうち建物に関する「建築面積」「延べ面積」「容積対象面積」について、紹介します。

 まず「建築面積」は、建物を真上から見下ろしたときの面積(水平投影面積)を指しています。階によって建物の面積が異なる場合、例えば1階のピロティーや屋外のテラスがある場合には、上から見て最も大きな部分を拾い出していきます。

 建築面積を算出する際には、いくつか気をつけることがあります。面積は、外壁の外側ではなく、外壁(建物の形状などによっては外壁に代わる柱)の中心線で計算します。外壁や柱を伴わずに突き出した庇(ひさし)やバルコニーは、突き出た部分の先端から1m分を除いて面積に入れます。例えば1.5m突き出した庇であれば、1.5mから1mを差し引いた0.5mの長さ分の面積を算入します。

 建築面積は地上階だけを対象とし、地下部分(地階)は算入しません。そのため、地階(厳密には、地盤面上に出ている部分が1m以下の地階部分)がいくら大きくても建築面積には含めません。

建築面積は地上階のみが算出対象
建築面積は地上階のみが算出対象
地階(地盤面上に出ている部分が1m以下の地階部分)がいくら大きくても建築面積には含めない(資料:日経 xTECH)
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 「延べ面積」は、各階の床面積の合計のことです。一般には「延べ床面積」という語句が使われる場合もあり、中身は同じですが、建築法規では「延べ面積」という語句が使われます。法律上は建築面積と同じように外壁や柱の中心線を基準に面積を拾い出しますが、建築面積とは異なり地階も含めた全ての階の床面積を足し合わせた数値になります。

 バルコニーや吹きさらしの廊下は、外壁から突き出している長さや平面・断面形状に応じてどこまで床面積に入れるかが決まっています。ピロティーは、「十分に外気に開放」されていて「室内的用途がない」場合は床面積には含めません。逆にいうと、吹きさらしのピロティーでも、駐車場や物置などに利用している場合には「室内的用途がある」とみなされるために床面積、ひいては延べ面積に含まれます。

延べ面積は各階床面積の合計
延べ面積は各階床面積の合計
建築面積とは異なり、地階も含めた全ての階の床面積を足し合わせた合計が延べ面積(資料:日経 xTECH)
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